雨樹一期のトイカメラの教科書 第54回 「日本で未発売のリバーサルフィルム(RETRO CHROME160と320)を使ってみた」

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こんにちは雨樹一期(あまきいちご)です。年々暑くなりますね。もう、日差しが痛いです。
そんな真夏だから撮影やレッスンの依頼も減るかと思いきや、お盆休みの影響もあって毎月よりも忙しく、暑さと紫外線にやられております。暑いのは耐性があるし、嬉しい響きなのですが、万博記念公園で快晴の中を6時間撮影した日は、帰りの電車で白目むきながら寝ていました(笑)。9月になってもまだまだ暑いのが続きそうです。熱中症には気をつけないといけませんね。


さて、今回は日本では発売されていないリバーサルフィルムのご紹介です。「発売されていないのを紹介されても」、なんて思われるかもしれませんが、海外から購入することも出来ますし、いずれ「Revolog」のフィルムのように、ロモグラフィーが取り扱う可能性もあります。 ってことで先取りです。真のフィルム好きには良いコラムになるかなと思います。

販売先は、「film photography project」

HPを見てみると、これまでに見たことのないフィルムがいくつか並んでいるかと思います。といってもモノクロが多いですけどね。今回紹介するのはその中から2種類のリバーサルフィルム、『Retro Chrome 160』と『Retro Chrome 320』。それぞれリバーサル現像とクロスプロセス現像を試してみました。

■ Retro Chrome 160

・リバーサル現像
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青〜薄らと緑色。タングステンフィルムのような発色で、好きな方はハマりそうですね。かつての富士フィルムのタングステンフィルム『T-64』と比べると少しザラっとしています。
露出を変えながら撮りましたが、明るく撮ると(感度設定を50)かなり飛んじゃいます。一番下の写真に白猫がいるの分かりますか?
感度は160なので100の設定がちょうどいい感じです。

・クロスプロセス現像
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クロスプロセスといえば「緑に転ぶ」が定番ですが、これも同じような発色。PROVIA100Fのクロスプロセスに似ていますね。コントラストを弱めた感じで、同じく少しザラっとしていますね。ギラギラし過ぎないので大失敗はしないかもしれませんが、リバーサル現像の方がいいですね!


■ Retro Chrome 320

・リバーサル現像
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こちらは感度が320。160と発色は別物で、僕的にはドストライクです。低彩度でザラザラ。昭和に撮ったような雰囲気が抜群です。光の加減なのか、フィムの特徴なのか、薄ら青が乗る時と、黄色が乗る時があります。粗悪なフィルムかもしれませんが(笑)、好きな人はめっちゃ気に入りそうですね。
デジタルでは決して撮れない写真になります。160と同じく、明るく撮ると(感度設定200)飛んじゃいます。感度400の方がいいかもしれませんね。

・クロスプロセス現像
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色味的にはレトロではありますが、レッドスケールに近いですね。リバーサル現像とは違い、黄色や赤みがかなり強くなります。これはこれで好きですが、やっぱり「レッドスケールに似ている」、ってことで、これまでにない特徴のリバーサル現像が好みですね。


肝心の購入方法ですが、「film photography project」から直接購入するか、イーベイ(ebay)や海外のオークションのセカイモンで購入するかになります。こちらは英語が分からなくても大丈夫ですが、手数料や送料などで余分にかかるので、まとめ買いするのが良さそうですね。 僕はセカイモンでカメラやフィルムを購入することがあるのですが、1ヶ月の取り置き期間などの設定も出来ますので、その期間でいろいろ落札して、まとめて発送してもらっています。 以下、店舗から直接購入する際の注文の例です。ローマ字で入力します。少しくらい順番を間違えても届きます。まだ直接は購入したことないのですが、PayPalなどの支払いも可能です。

First name: 下の名前
Last name: 名字
Company: 空白でもOK
Street address: 市の続きを逆から(例:○○区 ○○町1-2-3 ○○ビル100号の場合→#100 ○○Bldg ,1-2-3 , ○○-tyou , ○○-ku)
City: 市(例:○○-shi)
Country: 日本を選択
State/Province: 都道府県を選択
Postal code: 郵便番号
Phone number:+81に、電話番号の最初の0を取って続ける(携帯が090…の方は+8190…)

気になる方はぜひ購入してみて下さいね。このフィルムに限らず、コダックのポートラなどは日本で買うよりもかなり安いです。いまは円高なので、かなりお買い得ですね。


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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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