雨樹一期のトイカメラの教科書第27回「写真展示について」

 こんにちは、雨樹です。ようやく暖かくなってきましたね。記事を書いてる今は寒の戻りとかで寒いですが。もうこれを抜けたら暖かくなりそうです。今年の春もたくさん写真を撮りたいと思います。
 さて、今回のコラムはいつもと少し趣向を変えて、写真展について書いていきます。まずは一般的な展示方法を。
 最近はグループ展などの募集もよく見かけますね。ギャラリーが募集してるのもあれば、個人で募集してるのもあります。最も簡単なのはそういったグループ展での一枚だけの展示です。いきなり個展は怖いですからね、まずはここからやるのが無難です。
 プリントした写真をペタっと壁に貼るだけのものから、額装するものまで。そこもギャラリーや募集要項によって違います。ただペラペラの写真を貼るだけじゃ寂しいので、パネル貼りでの展示がオススメ。

 パネルとは簡単にいうと糊付きの発泡スチロール。うす紙(ハクリ紙)を剥がして、そこに写真を貼り付けます。たったこれだけでも写真に少し高級感が出てきます
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 パネルには5mmと7mm、二種類の厚みがあります。写真はインクの反りが出やすいので(特にインクジェット)、5mmだとパネルごと反ってしまうことがあります。2Lサイズくらいなら大丈夫ですが、A3よりも大きくなると、これがかなり目立ちます。
 インクジェット用の反りにくいパネルも売ってますが、いずれにしても、7mmをオススメします。東急ハンズやネット、ホームセンターでも購入出来ます。
 当然写真を準備しないとだめですが、プリントを家では出来ないなら近所の写真屋さんにフィルムを持っていきましょう。自宅のプリンターを使うなら、トイラボさんに大きいデータをお願いしましょう。写真のデータ番号でも受け付けてくれます。ネットサイズではなく、16BASEで注文すればかなり大きく引き伸ばせますよ。

☆準備するもの
写真
写真よりも大きいサイズのパネル
カッティングマット(小さいサイズなら100均でも売ってます)
カッター
定規(写真サイズより大きいもの)
手袋(別になくても大丈夫)
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 では早速ですが、作業工程を。
まずは買ってきたパネルを写真よりも少し大きめにカットします。
 今回は写真が2Lサイズ。パネルは少し大袈裟に大きいものを使っていますが、展示したい写真と同じサイズのパネルを購入すればいいと思います。たいてい一回り大きいですので。

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パネルの中心の紙を5cmほど剥がします。縦か横、どちらか一方はスジが入っていて剥がしやすいパネルもあります。手で千切ってもいいですが、カッターで薄く切れ込みを入れてもいいですね。
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パネルからはみ出さないように写真を貼り付けます。
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 片側の紙を全部剥がして、写真を外に向かってゆっくり貼り付けていきます。手袋がなければ、指紋がつかないように手の甲でポンポンと押さえていきます。この時、一気に貼り付けると空気が入る可能性があるので注意。
 また、写真光沢紙は傷付き易く指紋が付きやすいので、マット用紙をオススメします。展示した時も写真の反射が少なくて見やすいですからね。
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反対側も同様に。
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 余った部分をカットします。コツは、一度で切ろうとせず少しずつカットしていくことですね。カッターを垂直に入れないと切断面が斜めになりがちですが、これは慣れてくると真っ直ぐになります。定規を押さえる手がプルプルするかもしれませんが(笑)、これもはじめだけです。手を切らないよう気を付けましょう。
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 次は展示です。壁とパネルを貼り付ける方法を紹介しますね。
少し前まではコマンドタブという剥がせる両面テープみたいなものをよく使ってましたが、これが壁紙ごと剥がれたりと、ギャラリーには好まれないものとなりつつあります。使用禁止のギャラリーもあるので、ねり消しを使います。展示専用の粘着性の強いねり消しがあります。しかも簡単に壁から剥がせます。これもハンズやホームセンターに売ってます。
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 ねり消しを写真の四隅に貼り、そのまま壁にギュッと押し付けます。この時もなるべく指紋が付かないように気を付けます。これで終了。
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 あまりに重たかったり、壁紙との相性が悪いと落下の可能性もありますが、A4程度のパネルであれば問題ないかと思います。怖いようであれば四隅以外にも貼りましょう。この時、さきほど書いたパネルの反りがあると、うまく貼れなかったりします。壁がでこぼこの時はねり消しの量を増やします。

 今回のパネルは2Lサイズで制作しましたが、このサイズならハクリ紙を一度に全部剥がして、貼付ける事も可能です。
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 正面から見ても影が出てぐっと作品っぽくなりますね。
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 パネル貼りはサイズが大きくなるほど難しくなります。空気が抜けなくなって、写真が凸凹になっちゃいます。無難なのは説明の通り、まず中心を貼って、外へ向かって貼っていく方法ですね。

 展示をご自身でしないなら(写真だけを郵送など)、作品と共にねり消しを送ると喜ばれます。特に参加費が無料だったり、格安のものは企画者が負担されてると思うので。

 最後に。写真展をするには少し勇気も必要です。募集要項も長くて書いてる意味が分からなかったりもします。これは一応しっかり書いておかないとダメな部分もあったりで、どうしても長文になってしまうんですね。

テーマが書いていればそれに合った写真を撮らなくちゃいけませんが、あまり難しく考えず、自分がそのテーマで感じたものであれば大丈夫です。たとえば「幸せな時間」というテーマなら、無限にありますからね。子供やペットの写真、カフェの写真、花の写真でもいいと思います。

サイズの指定があれば、しっかりそのサイズで。分からなければ調べましょう。写真展の定番サイズに四つ切りというサイズがありますが、これは305mm×254mm。A4より一回り大きいサイズです。
あとは参加するならドタキャンだけはしないように(これが一番困ります)。
それさえ守ればなんとかなります。

 せっかくいろんなとこに出掛けて撮った写真ですから、家で一人眺めるだけでなく、写真にあまり興味のない友人に見てもらうだけでなく、写真を好きな色んな方に見て貰いましょう。そこから写真好きの方との交流も出来ますし、見せるという意識があるだけで、写真の腕もあがります。展示の準備が大変なほどに達成感もありますし、グループ展は文化祭みたいで楽しいですよ。


 さて、私事コーナーです。これまでの話が伏線というわけではないですが、トイラボさん主催で個展を開催することが決まりました。
場所は熊本です。九州初の個展は、九州の中心地です(ある意味)。
 昨年、東京で開催した「雨樹一期のトイカメラ遊園〜ひまわりファンタジーランド」の続編になります。
そこに新作を追加しての展示です。

 (仮)「雨樹一期のトイカメラ遊園〜陽だまりアパートメント」
■ 日時    2014年5月23(金)〜25日(日)
■ 時間    23~24日:11時〜19時 /  25日: 11時〜17時

24日(土)の終了後に「トイカメラの集い」なるものを開催します。参加費と場所は未定ですが、ギャラリー側の居酒屋かどこかでの開催です。写真のことなどなど、お話しが出来れば嬉しいです。

■ 場所: ギャラリーでんでん舎(熊本県熊本市中央区練兵町45 早野ビル1階)
■ TEL:096-335-7388
入場無料


■ プロ・トイカメラマン雨樹一期オフィシャルサイト
http://www.amaki15.com/

■ トイカメラ日和
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■ 猫レシピ
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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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