雨樹一期のトイカメラの教科書 第21回「写真が上手くならない理由」
こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。まずは、「雨樹一期のトイカメラ遊園〜ひまわりファンタジーランド」に来てくれたみなさん、ほんとにありがとうございました。開催中はとにかく楽しくって、搬出は寂しい気持ちでいっぱいでした。あまりに楽しくて、いますぐにでもやりたいくらいです(笑)。その為にもまた写真を撮りまくっていきます。
少し会場の様子を。暇だなーって思う時間もなく、連日賑わっていました。会場の写真は自分ではあまり撮っておらず、トイラボの山田さんが撮影したデータも頂いたので僕が写り込んでたりもします。
今回のチームのメンバーでもあり人気の木馬ちゃん(ミゼッティ工業株式会社さんに貸して頂きました)。この子がいてくれてほんと良かったです。実は振動スピーカーになっていて、木馬に耳を近づけると分かるのですが、木馬の中から音が聞こえてくるんです。
展示写真。大判、観覧車と遊園地、空、花、動物、猫、フォトポエム。プリントはトイラボさんです(一部を除きます)。色味も忠実に再現して頂きました。
パーティーもとっても盛り上がりました。普段はパーティーって居場所がなくなって苦手なんだけど、今回はとにかく楽しかったです。
五感観覧車、物販コーナー、感想コーナー、手回しオルゴール、PTOTO CUBE、暗室のLOMO KINOムービー。とにかく見るとこいっぱい、まさにワンダーランドを創ることが出来たと思っています。演出の新井敦夫さんのお陰です。
とにかく制作中も開催中もずっと楽しかったです。ありがとうございました。
制作過程や作品の意図についてはブログにも書いたので、よろしけばそちらも。http://amaki15.blog90.fc2.com/blog-entry-2819.html
そんなこんなで、少し燃え尽きてしまって、身体は動けど脳が働かず、どんなコラムがいいか、何を書けばいいか、さっぱり思い付かず(笑)。それならいっそということで、いつものテクニック的なコラムはやめて、興味惹かれる方がいるかもしれないタイトルを軸に考えてみました。
「写真が上手くならない理由」です。
というのも、写真がなかなか上達しないって言う方がいます。数人とかじゃなく、たくさんの方がそれを言います。僕が思うに確実に上達はしてるんですけどね。それでも上手くならないと悩むのはなんでしょうか。
これを言っちゃーおしまいだよって感じですが、写真で悩んだことのない僕にはその答えがよく分からないんです。もっといい写真撮りたいとは思うけど、だからといって悩むとかでもなく。何を撮ればいいか分からなくなったこともないです。とにかく撮りたいと思ったら撮りに行くだけです。目的があって撮りにいくよりも、撮りに行くことが目的になってる気もしますけどね。仕事は別として。
でもそれじゃコラムにならないので、考えてみたんです。写真が上手くならない理由を。
で、そんな訳ないなと(笑)。
上手くなったから、自分の写真のダメな部分に気付いてるだけじゃないのかなーと思うんです。撮っていて下手になることなんてありませんからね。
写真を続けてきてある程度は思い通りに撮れるようになったけど、まだまだ「ある程度」止りなので、その差が見えちゃってもどかしいのかもしれませんね。
どんなことでも、「ある程度」までの上達は早いです。でもそこからさらに上へ行くのは大変です。
それは技術的なとこもあります。絞りやシャッタースピードなど、写真のいろはを覚えるにこしたことないし、構図だって大切です。だけど、僕は独学でそんな知識もないまま、活動してきました。知識は後から少しずつ付いて来るだろうと。
はじめた頃ってとにかく何も分かってなくて。たいして考えずに撮った中に偶然いい写真があったりします。でもそれは実力とかじゃなくて、きっとたまたまです。ビキナーズラックみたいな。出来上がりもイメージしてないから、想像以上のものになっています(適当にやった多重露光もそんな感じかな)。だからその一枚の写真と今の自分を比べるのも違います。
今はきっとその頃よりも考えてるはず。ステキな風景が目の前に広がっていて、それを写真で残したいって思うから、出来上がりの想像も少しはしているはず。
でも今、目の前にあるステキをそのまま撮り下ろすことは簡単じゃないし、ましてやさらにいいものに見せるのなんて、かなりの感性や偶然や努力が必要になってきます。
先に言った構図の勉強も必要かもしれません。でもそこばかりになると感性も失われちゃう気もします。在り来たりのどこかで見たことあるような写真になってしまう。それよりも自分なりの構図や、らしさを大切にして欲しいなと思うんですね。そしてそこにある瞬間の空気感をしっかりと見つけることが出来れば、それが一番じゃないかなと。
先日の写真展で来場者から聞いたんですが、「空と動物は撮ってはいけない」という先生がいるらしいです。某番組でも芸人さんが言ってましたね。あれはあれでとても面白かったんですが(笑)。携帯カメラのお陰で写真が身近になったから、ちゃんとやってる人からするとそのお手軽さが嫌なのかもしれませんね。
その先生がどんな方か知らないですし、有名な方なのかもしれない。キレイな写真を撮られるんだろうけど、どうもただそれだけな気がして。自分はその方向には行きたくなかった(高い機材を揃えるお金もなかったし 笑)。
僕は写真をはじめて以来、空をすごく意識するようになりました。季節によって、時間によって移り変わる空、雲の形。身近にある一期一会です。今は離れてしまった家族や友人、大好きな人だって、もしかするとこことは違う形の雲の下で、同じように空を眺めているのかもしれませんよね。なんて思うと、とってもステキな被写体じゃないですか。
移り変わる空を意識することでも感性や心の感度もどんどんあがってきます。
「お手軽さが嫌なのかも」と書きましたが、そんな瞬間はなんとなくスマホでぽちーんと撮るのではなく、やっぱりフィルムカメラでちゃんと意識的に撮ってほしいかもしれませんね(笑)。
空はもちろん、動物がダメとかも意味分かんないですよね。あんな可愛いのに(笑)。単純に人を癒す効果も絶大です。別に写真を好きじゃなくても、猫写真だけには夢中になる方もいますもんね。それがダメという先生はこれまたそういう緩さみたいなのが嫌いなのかな。ターゲットが一般の方ではないんですね。僕みたいにトイカメラで撮ったり、クロスプロセスしたりする人の写真なんて絶対拒絶されそうです。そういえば昔、有名な写真家さんにトイカメラで活動していることを言うと鼻で笑われたことありました。逆にその人の展示を見た時には商業的で何も感じなかったですが。写真家といってもいろいろありますからね。どこを目指すかでも変わってきますが、どこへ辿り着くにしても、地道な努力は必要だとは思っています。後は感性が合うか合わないかだけで。ちょっと話がちょっとズレてきましたね。
とにかく僕は写真をはじめて意識が変わりました。何気ない日常にだって、たくさんのステキがあることに気付きました。だからこれがダメとか決めつけたくないんですよね。
さて。いろいろと述べましたが、結局上達する方法はですね、なんやかんやとありますが、まずはたくさん撮ることなんですね。どんな芸術でもそこは同じで上手い人は努力してます。絵描きさんはめっちゃ描きまくってます。仕事でもあるので当たり前ではありますが。
人の作品をたくさん見ることもいいですね。自分の写真をちゃんとプリントして、アルバムを作っていくのもいいと思います。それはやっておいて損はないかな。今は簡単に本にしてくれるサービスもたくさんありますからね。形として残すとまた大切に出来ますからね。
僕は自分の写真を何千回と見ています。アルバムを作ったり、展示したり、コンテンツとして提供したりする際にも、とにかくひたすら写真を見返します。
いいなー、と思った写真も数ヶ月後に見るといまいちだったり。それは得てしてクロスプロセスした写真だったりします。やっぱりインパクトありますからね。でもそこに撮影時の気持ちが見えないことも多いんですね。色味や派手さがメインになってるだけで。それこそ普通の写真もよく見えるというクロスプロセスの魔法で面白いんだけど。
やっぱり本気で上達したいなら、ネガで撮るのがおすすめ。派手さもなく、コントラストも弱いので、上手く撮らないと立体感のないのぺーっとした写真になってしまうんです。
傑作は生まれにくいけど、ネガで撮ったお気に入りはずーーっとお気に入りです。
最後に。趣味ってはじめは楽しいです、でも追求するほど苦しさもやってきます。でもそれを乗り越えたとこに本当の楽しさがあると思います。なので「悩んでいる」ということは少なくとも上達はしているってことなんですよね。
さて私事コーナーです。個展も終わりほっとしたのも束の間、次は名古屋で開催しているトイカメラ教室の写真展です。なんだかんだでやっぱり準備は大変ですね。生徒さんはもうすぐ3年の方もいればまだ2ヶ月の方もいます。DMはこれまでもたくさん制作してきたのですが今回のは結構お気に入りです♪
過去と未来をテーマに各々が組み写真を制作。後は壁一面を使って花のウォールを作ります。最終日にはクロージングパーティーと合同でトイカメラの集いを開催します。詳細はブログ(トイカメラ日和)にて。
★トイカメラ教室写真展「カコトミライ 」★
開催期間:2013年6月16日(日)〜30日(日)
※営業時間:16時〜23時(最終日のみ22:00)
※定休日:開催期間中は無休
開催場所:TORIDE(名古屋市中区新栄二丁目8-1)
電話番号:052-212-7194
詳細についてはオフィシャルサイトやブログにて。
■ プロ・トイカメラマン雨樹一期オフィシャルサイト
http://www.amaki15.com/
■ トイカメラ日和
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