雨樹一期のトイカメラの教科書 第7回 「Vivitar Ultra Wide&Slimの説明書」


こんにちは、雨樹一期です。今回も一つのトイカメラについてのコラムを書かせて頂きます!安価で35mmフィルム使用のトイカメラ、Viviter Ultra Wide&Slimです。
特徴はですね、とにかく安いです。そして軽くてコンパクト。さらにトイカメラらしい写りもします。「トイカメラをはじめたいけど、お金もそんなにかからない程度でちょっと出来ないかなー」って方にはもってこいではないでしょうか。
また、LOMO LC-A(+)を持っている人でも、Viviterなら故障してもそんな痛くはないってことで(笑)、気軽に持ち運べるのでサブカメラとしてもオススメです。僕が昔そんな感じでした。今は色んなカメラがあり過ぎて数年間使ってませんが(笑)。写りもLC-Aに少し似てます。当然機能的には断然劣りますけどね。



 シャッタースピードは1/125の固定です。LC-A(+)みたいにオートで絞りやシャッタースピードが変わってくれるわけでもなく、ホルガみたいにバルブモードで撮ることも出来ません。なので場面を選べないのが一番の欠点です。
 たとえば感度100のフィルムを入れたとしたら、日中に外で撮る専用になっちゃいます。室内で撮っても暗い写真になりますし、夕暮れ時は厳しいですし、夜景なんてとーんでもないです(フィルム感度についてはコラム第4回を参照にして下さいね)。とはいえ、少し暗めに撮れた方が(ローキー写真)コントラストはあがります。フィルムのザラツキも強くなりますが、それも決して悪くはないですね。以下は感度100のネガフィルムで撮影しています。


 


日中に外で撮るとして、トイカメラらしい描写を求めるのなら感度100のフィルムがおすすめです。感度400だと明るく撮れてしまって(ハイキー写真)、周辺光量落ちなどのトイカメラらしさが損なわれます。リバーサルフィルムを入れてノーマル現像してしまうと暗い写真や明るすぎる写真ばかりになりますが、クロスプロセス現像すると面白い写真が出来上がります。クロスプロセス現像についてはまた今後のコラムで詳しく書かせて頂きますね。
●PROVIA100Fのクロスプロセス現像

● PROVIA400Xのクロスプロセス現像


 


 また、Viviterは他のトイカメラと違って距離の設定が出来ません。絞りもF11で固定。パンフォーカスといって、近距離から遠距離まで全体にピントが合うといった感じです。LOMO LC-A(+)のように背景もボケてくれません。これ、デジカメなんかだとのっぺりした写真になりがちなんですが、Viviterだと絵画みたいに写りますね。ただ、うまく撮らないと余計なものまでしっかりと写り込んでしまいますので、背景にも気を配らなくちゃいけません。
 以下の写真のように、Viviterだと鉄塔までピントくっきり写ります。この撮り比べだと僕はViviterの方が好みですね。

 


 とにかく全てが固定されているしフラッシュもありません。撮影最短距離は1.2mとちょいと遠いです。さきほど全体にピントが合うと書きましたが、あくまで“撮影最短距離より遠く”になります。手が届くほどの近距離にある花は撮れないですね。たまにViviterで目の前にある花を撮ろうとしてる方を見かけるんですが、そのお花バッチリボケちゃいます。
 さて。ざざざと欠点を書いてみましたが、それを補うくらいの価格であり。描写も意外に優れているんですねー。うまく撮れた写真なんてLC-Aとあまり見分けがつかないです。


 もう一つの大きな特徴はレンズが広角なんですね。LC-A(+)よりもNATURAよりも広がりのある世界が撮れます。ローアングルから撮影したり、空を大きく入れることで、よりその特徴がでます。


 フィルムの装着は簡単です。まず裏蓋を開けて、巻き戻しクランクを内側から押し出してフィルムを入れます。この巻き戻しクランクが少し脆いみたいですが、代替え品もギズモショップさんで販売されていますね。僕のViviterはまだ破損していませんが、フィルム装着の時は内側から押し出すことをオススメします(写真はカメラの天地が逆転しています)。

 フィルムの先端をスプールの溝に差し込みます(フィルムの先からニ番目の穴を引っ掛けるとうまくいきます)。巻き送りギアを少し回します。この時巻き上げレバーが連動して動くのを確認して下さい。これが動かないようであれば空回りしています。このまま撮っても撮影はされないのでご注意を。裏蓋をしめたら、カメラの上面にある窓の数字が1になるまで2〜3枚ほど空シャッターをきります。

 撮影が終わったらカメラの底にある小さなボタンを押してから、巻き戻しクランクのツメを起こして時計回りにフィルムを巻き取ります。巻き取りが終わると空回りするので、裏蓋を開けてフィルムを取り出しましょう。


 さてさて。ここまで書いておきながらご報告が。実はこのカメラ、製造が終了されました。とはいえまだしばらくは購入できるかとは思いますが、気になる方は今のうちに手に入れちゃいましょう♪ 僕は広角やパノラマのカメラを数台持っているからViviterはなかなか出番がないのですが、広角カメラを持っていない方には特におすすめです。そしてトイカメラをやるのなら、これ一台だけではなくもう一台はやっぱり欲しいところですね。


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(参考サイト)

◆Vivitar ULTRA WIDE&SLIMのご購入はこちら
http://www.gizmoshop.jp/products/detail.php?product_id=6

雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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