トイカメラの教科書 第58回 「猫の撮り方(フィルムカメラ編)」

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こんにちは、雨樹です。今年最後のコラムとなりました。
熊本地震から八ヶ月。テレビで速報を見た瞬間は焦りまくって、ご迷惑と分かっていながらもトイラボさんに電話してしまいました。
いろいろお聞きしていると、まだ復興には時間がかかりそうです。元通りの生活ではない中での現像作業です。大変なのは承知の上ですが、今もこうやってコラムを書かせて頂き、現像をして頂けることを嬉しく思っています。

さて。今年は他にも色んなニュースがありましたね。猫ブームも騒がれましたね。上半期のテレビは猫ばっかりでした。生き物をブームと呼ぶのは如何なものなのかとは思いますし、昔から猫好きな僕としては流行りみたいになって欲しくないのですが、今年のはじめには猫の撮り方でテレビ出演をしたし、いくつかの番組で写真も使用されました。最後には猫の写真集も刊行しました。 数年前に連載していた「かわいい猫の撮り方」が検索で上位にヒットするのですが、なんやかんやブームに乗っかっているのかもしれませんね。書籍は当然売れて欲しいのですが、ビジネス臭は出したくないなーと思っています。

てことで、今年最後のコラムは猫の撮り方で締めたいと思います(どないやねん)。

写真好きは猫好きさんも多いですからね。撮影会でも猫がいるとみんなパシャパシャ撮っています。僕は家に猫が二匹いるので、その子たちをデジタルで撮ることが多いですが、今回のコラムはフィルムカメラに限定して書きます。てことで、いってみましょう!


猫目線で撮ってみよう
いろんな場所で発言しているのですが、まずは猫目線で撮影するのが一番です。猫と同じ目線なので、かなりローアングルになりますが、階段や塀の上などにいる子を狙えば無理なく撮れますね。
猫目線で撮ると、猫の生活に入り込んだような世界になります。表情もよく分かりますね。ちなみに、お尻もチャームポイントです。
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地べた撮影をしてみよう
塀の上など、高い所にいるとは限りませんよね。そんな時は地べたにカメラを置いて撮影をします。これについては過去のコラムの中で何度か書いています。
まず、LC−Aの最短距離は80cmです。警戒心がある子は80cmまで寄れないこともありますが、その時は無理に追いかけたりせずに諦めましょう。中には懐っこい子もいますので。
基本的にはこちらからゆっくりと近付いていくのですが、近付いてくる子がいれば、待ち構えて80cmの距離に来た時に撮影するのもいいですね。
地べた撮影はノーファインダーです。こんな時は目測のピント合わせが利点になりますよね。
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逆光でドラマチックに撮ってみよう
夕方の光を利用して逆光で撮影しましょう。当然、猫たちはこちらの思い通りには動いてくれないので、自分で逆光になる位置に移動します。ノスタルジックでちょっぴり切ない絵になりますよ。 日が沈んだ後はシルエットになるので、よりドラマチックになります。シャッタースピードは落ちるので、手ぶれしないように気をつけましょう。
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猫と認識出来ればそれだけでオッケー
ついつい身体全体を撮ろうとしてしまいがちですが、一部分や影、足跡だけでも猫と分かりますよね。
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遭遇時間と季節
そもそも外猫とあまり出会わないという意見があるかもしれませんね。なので、一番遭遇しやすい時間と季節も書いておきます。 時間は、早朝か夕暮れ時です。昔と違って、最近見かける外猫は『地域猫』といって、ボランティアで管理されている子が多いです。餌の時間もだいたい決まっていて、それが早朝と夕方。公園などに行くと、茂みや木の上からワラワラと集まってきます。

地域猫は不妊治療をされ、これ以上増えないように守られています。「不妊治療なんて可哀想だ。猫は好きだけど、家では飼えない。でも、お腹空いている子がいたら餌をあげたい」という考えは分からなくはないですが、結果的に殺処分されてしまう不幸な子が増えるだけです。 不妊手術が終わった猫は耳の先を少しだけカットされます。ケンカの傷とかではありません。
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出会える季節は春か秋になります。猫も快適な季節を知っていますからね。日向ぼっこしている子が増えます。真夏は日陰に隠れて、冬はどこかで暖をとっています。
最後に。撮影は無理の無いように、追いかけないように、そして勝手に餌をあげないようにしましょう。餌をあげると、そこに住み着いてしまいます。住宅街だとそこに住んでいる方には迷惑がかかります。地域猫は餌の時間も量も決まっています。牛乳はお腹を壊してしまうこともあります。
あくまで猫のペースで、「すいません、お邪魔します〜」という心遣いで撮影しましょう。


それでは今年最後の私事です。まずは冒頭で書いた通り、猫の写真集が刊行されました。ライターの今一生さんによる、ビートルズのコラムに猫写真が添えられています。
また、2017年1月より、ローソンプリントにて掲載されている猫写真などがプリントアウト出来るようになります(サイズはLか2L)。カレンダーなども準備しています。
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「猫とビートルズ」(金曜日・刊/1,296円)
今 一生(著)・雨樹 一期(写真)→詳細

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*お買い上げの方に、猫のクルミボタンヘアゴムをプレゼントしています。
詳細


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「フィルムトイカメラ教室(大阪)四期生募集」 2017年1月スタート。隔週の日曜日に開催の教室です。フィルムの基礎〜多重露光まで学んでいくトイカメラ教室になります。その他、平日クラスなども同時募集しています。 →詳細

教室には通えない方の為に、個人レッスンもやっています。フィルムやデジタルの基礎から応用まで、マンツーマンなのでじっくりと学んで頂けます。→詳細

来年もフィルムの楽しさをたくさんの方に伝えていきたいと思っています。ワークショップなども開催致しますので、コラムの中だけではなく、実際にお会いしてお話が出来れば嬉しいです。

今年一年、ありがとうございました。それでは皆様、よいお年を。


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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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