トイカメラの教科書 第57回 「暗く撮れてしまう(アンダー)LC-A+の露出調整」


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こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。今回はLC-Aのちょっとした小ネタコラムにします。不特定多数の方に当てはまるものではないけど、ちょっと困っている方には「こ!これは!」なんて思うかもしれません。

これまでも裏ワザは何度か書いてきました。

トイカメラでの接写
多重露光の基礎
多重露光の応用
長時間露光

LC-AやLC-A+は一般的な一眼レフなどと比べると故障しやすいです(笑)。撮る頻度にもよりますが、僕はもう何台目か分からないほど乗り換えています。でも、もはやそんな全部を愛してしまっています。一途な男です。 中でも、電池の赤いランプは点いているのに、シャッターが突然開かなくなる故障が多いです。そんなLC−Aをこれまでに何度も修理してきました。とどめを刺したこともあります(笑)。こうなったら基本的には修理するか、乗り換えるかになりますね。
小さい故障としてよくあるのが、露出がアンダーになることです。長く使っていると、だんだん暗くなることがあります。何台も使って来て、その症状になったこともあるし、よく耳にします。
そもそも、露出に個体差があるカメラです。新品で購入しても、明るく撮れたり(露出オーバー)、暗く撮れたり(露出アンダー)、適正で撮れたり。もはや撮ってみないと分かりません。四隅が暗くなるトンネル効果の強さもバラバラです。
「暗いなー」って思って修理に出しても、シャッターは開いているのでそのまま返ってくることもあるようです。
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上の写真は『露出の見本』ですが、ちゃんと感度設定を合わせているのに、オーバーやアンダーになります。多いのはアンダーです。全部暗くなっちゃいます。困っちゃいます。

アンダーに撮れるLC-A+での対処法としては、
・ISO400のフィルム使用時→カメラの感度設定を200か100にする
(逆に明るく撮れる時はカメラの感度設定を800か1600にする)

ただこの対処法の場合、ISO100のフィルムが使えません。理由はLC-A+の感度設定が100~1600までなので、50や25に出来ないからです。その点、LC-Aは25~400までなので使い勝手がいいですね。
ちなみに以下の写真のように、LC-Aは前の蓋を外すと露出を調整出来る部分があります。めっちゃデリケートな部分で一ミリ動かすだけでも露出が変わるので、どうしても自分で直したいって方以外は触らない方がいいです。
LC-A+にはそれがありません。LC-A+に限らず新しいカメラほど、修理が難しいですね。
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フィルムの多くはISO100です。使いたいフィルムがISO100なこともありますよね。以下、そんな時の無理矢理の対処法です。
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露出を測っている丸い窓に細工をします。シンプルですが、この方法が一番簡単です。長時間露光の裏ワザではここに黒のテープを張りましたね。

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方法はとても簡単。現像済みのネガフィルムを使います。

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まずは何も写っていない部分をカットします。少しだけで大丈夫です。

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それを窓の部分にくるように貼り付けます。窓さえ隠れたら大丈夫です。これは何をしているかと言うと、カメラに「あれ?少し暗くなった?」と思わせています。現像済みのフィルムでちょうど一段階明るくなります。上記の『露出の見本』で一つ上になります。もっと明るくしたいなら、フィルムを二重にするだけです。シンプルですが、これが効果的!
見た目は、まぁ我慢です(笑)。そんなに目立たないですけどね。
これはLC-Aに限らず、露光をはかる窓さえあれば使えます。
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撮影していない部分がないよってフィルムもあるかと思います。フィルムの前半部分ではなく、最後に少し余りがあればそれを使いましょう。フィルムのカウンターが36枚を越えても撮っているとその余白もなくなりますが、お家にあるフィルムのどれかには余白はあると思うので探してみて下さい。


さて、今回はフィルム写真が少なめだったので、大阪で開催したWSの写真を少しご紹介しますね。10名の参加者が、同じ場所で別のフィルムを使用しました。もちろん個人の視点も違いますが、色味で雰囲気がガラッと変わりますね。フィルムの醍醐味ですね。

□ Lomography LomoChrome Turquoise XR 100-400
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□Film:Lomography LomoChrome Purple XR 100-400
■Photo:yucoro
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□Film:Lomography X Tungsten 64(リバーサル現像)
■Photo:伊瀬のぼる
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□Film:FUJI PROVIA100F(クロスプロセス現像)
■Photo:下條義人
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□Film:Adox Color Implosion
■Photo:にこ
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□Film:Kodak E100VS(クロスプロセス現像)
■Photo:倉重久美子
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□Film:Rollei Chrome CR 200
■Photo:MIYABI
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□Film:nostalgie red400
■Photo:松田まゆみ
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今回はかなりマニアックというか、ピンポイントなコラムになりましたが、お困りの方にはとてもお役に立てたのでは、と思っております。
今年も残りあと少しですね。一年なんてあっという間です。なんだか夏が終わると、そこからめっちゃ早い気がします。
それでは来月、締めのコラムを書きたいと思っています。


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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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