雨樹一期のトイカメラの教科書 第20回 トイカメラでの接写について


こんにちは、雨樹一期です。ゴールデンウィーク到来ですね。みんな海外とか行っちゃうんでしょうか。いいですねー。
日頃からとくに決まった休みがない僕にとっては、ただ人が多くなるだけの時期です。
4月は写真を撮りまくったので、おとなしく家で個展の準備でもしていようかな。プライベートもバタバタしそうなので、テンションのあがらないゴールデンウィークになりそうです。あー、僕もはじけたい。
さて、そんなことはさておき。今回のコラムは少し趣向を変えて、トイカメラでの接写について書きたいと思います。今からの季節ですと薔薇の接写なんかおすすめですね。
では。



撮影最短距離が遠いのがトイカメラの難点。LC-Aだと80cmが最短ですから花を撮るにしても構図が決まってきちゃいます。そこで無理やり接写するテクニックのコラムです。僕は接写した写真をブログにアップしたり展示したり、コンテンツとして提供していますが、普通に出しているので、普通〜に撮れるもんだと思われがちなんですね。ところがどっこいです。結構難しいんです。というか慣れが必要です。トイカメラは一眼レフみたいにピントを目視で確認出来ないですからね。

でもこれをマスターするとどんな写真でも撮れるようになるので、ぜひ挑戦してみて下さい。

・はじめの内はピントが合わない写真のオンパレードです。

・ピントが合っても構図的にどーにもズレてしまって、花びらの先っちょだけ写っていたり、もはや何を撮っているか分からなかったり。

とまぁ、そんなことも乗り越えながらマスターしていって下さい(笑)。


接写の方法ですが、虫眼鏡を使います。100円ショップにも売っていますよねー。単純ですが、これしかありません。
僕は一眼レフ用のクローズアップレンズ(フィルター)を使っています。ビックカメラやヨドバシカメラで千円ほどで買えるし、かさばらないし、手持ちの一眼にも使えるのでこっちの方がいいかなーと思います。
MC+1〜4まであるのですが、オススメはMC+4です。これで20cmくらいまで寄って撮影が出来ます。

■ LC-Aで20cmの接写



■LC-Wideで20cmの接写

 

■Diana Miniで20cmの接写


LC-A前提で書いていきますが、まずは距離設定を80cmにします。そしてレンズフィルターをレンズの前に当てがって撮ります。レンズにピタっと引っ付ける感じですね。他のカメラでも同様で最短距離に設定しましょう。

この時気を付けるのは、フィルターの枠がレンズを遮ってないかということ。こんなことにはならないよーと思いがちですが、知らない内にズレていることが多いです。

また、LC-Aのみですが、指が露光窓を隠してしまうこともあるのでそちらも注意を。ここを隠してしまうとLC-Aは暗い場所だと判断して、シャッタースピードが遅くなり、明るい写真になってしまいます。これはよくやっちゃいますね。

次の注意点は、視差です。トイカメラはファインダーとレンズの位置が違うので、どうしてもズレてしまいます。風景などを撮っていると気付かないですが、近付くほどその視差が大きくなります。接写ともなると、もういっそのこと覗かない方がいいでしょう。レンズの前に被写体がくるように目視で撮りましょう。

そしてピントをちゃんと合わせることも難しいです。接写すると被写界深度が浅くなります。これはピントの合う幅が狭いということで、逆に全体にピントが合っている状態を被写界深度が深いといいます。

■ 被写界深度が浅い写真(背景の観覧車がボケている)

■ 被写界深度が深い写真(背景の鉄塔にまでピントが合っている)
浅いということは、距離が少しズレるとボケてしまうということです。たとえばMC+4で接写する場合。20cm前後にピントが合うのですが、これが5cm以上の誤差になるとピントは合いません。
この時の正確な距離というのはレンズの前からではなく、レンズの内側から被写体までの距離です。LC-Aでいうと、突き出した部分ではなくボディー部分からになります。僕は人差し指と親指を伸ばした距離が18cmくらいですが、レンズの前から測っているので結果これくらいがベストになっています。

接写する時はそうやって指でかなりアバウトに測りながら撮ってます。女性だと親指と小指かな。とにかくボディーから被写体の距離が20cmになるように。撮影時にこの動作はかなり怪しいですけどね(笑)。


MC+10というのもあります。これを使うと8〜10cmまで接写出来ますが、被写界深度はさらに浅く、ほんの2cmの誤差でもぼけてしまいます。風が吹いたらアウトです。ちなみに僕の測り方は握りこぶしがギリギリ入るか入らないくらい。 花の場合、中心に合わせて撮ると手前か奥の花びらのどこかにはピントが合うかもしれません。ざっくりいきましょう。


手前の花びらに合わせるとたいがいボッケボケになっちゃいます。ボケた色味もこれはこれでありかもしれませんけどね。MC+10はピントもなかなか合わない、視差も大きい。とにかく難しいです。


さて、最後に接写マスターの秘訣です。失敗は当然として、まずは安価なフィルムでいいので、オール接写してみましょう。結局これしかないです。こればかりは感覚で覚えていくしかないので(毎回メジャーで測ってられないので)、たとえば手を目一杯広げて、親指から薬指の距離で10枚。親指と人差し指で10枚など。距離を何度か変えて、メモをしながら撮ってみるのがいいかなと思います。フィルム一本無駄にしたとしても、距離の感覚がつかめたら安いものだと思います。毎回だいたいで撮っていたら、どの距離が成功で失敗かも分からないままですからね。

ちなみにLC-Aで、接写でもないのにボケ写真の多い方は80cmの距離がきっと見当違いです。おそらく近寄り過ぎています。80cmは僕の場合、手を伸ばしても届かないギリギリの距離。実測すると分かるのですが、思っているより遠いです。接写の前にまずはそこからやっていきましょう。トイカメラ上達のコツは、まずは目測で距離を掴む事ですからね。


さて、いつもの私事の告知です。

個展「雨樹一期のトイカメラ遊園~ひまわりファンタジ~ランド」まであと少し。準備も大詰めです。五感演出プロデューサーの新井さんの演出でかなり素敵な感じになってきてます。
展示は遊園地みたいにいくつかのゾーンに分けます。観覧車と遊園地、大判写真、動物、花、空、猫、フォトポエム、そして暗室。自分の世界観をこれでもかと詰め込んで、そしてそこから引き算をして、その世界の中にしっかりと投入して頂けるように、かなり写真を吟味致しました。
これまでやってきた、ただの写真展ではなくなりました。五感で演出されたものなので、視覚以外でも記憶に残るようなものを作り上げています。思いっきりどっぷりと浸かって頂けるかと思います。
 いつも写真展の少し前って不安でたくさんですが今回は自信満々です。ほんとに最強の写真展になるのでぜひ来てくださいね♪

主 催:有限会社アドプラス トイラボ事業部
写 真:雨樹 一期
演 出:新井 敦夫
開催期間:2013年5月21日(火)~5月26日(日)
開館時間:11時~19時00分(25日は20:30まで、最終日は17:00まで)
会 場:LE DECO(住所:東京都渋谷区渋谷3-16-3 ルデコビル2階)
入 場 料: 無料


詳細についてはオフィシャルサイトやブログにて。

■ プロ・トイカメラマン雨樹一期オフィシャルサイト
http://www.amaki15.com/

■ トイカメラ日和
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■ 猫レシピ
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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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