雨樹一期のトイカメラの教科書第 18回 「パーフォレーション撮影ありきのカメラ」

 こんにちは雨樹です。最近はあまり撮影に行けていないのですが、これから暖かくなってくるのでワクワクしています。今はまだ寒いのもあって、家に引きこもってパソコン作業していることが多く、肩と首がこっちゃって。緊張性頭痛になちゃって、今月は頭痛と目眩に悩まされる日々でした。これがなかなか辛いんですね。女性がよく頭痛に悩まされていますが、こんなのが続くなんて大変ですね。これからは頭が痛いって言っている人に優しくしなくては。でも頭痛って運動したら治りますよね。

さて。今回のコラムは少し趣向を変えて、パーフォレーション撮影ありきのカメラで書かせて頂きます。パーフォレーションとは35mmフィルムの穴のことです。本来はフィルムを巻き送る為のものなので撮影範囲外になります。でもどうせならそこまで撮ろうじゃないというカメラもたくさんあるんですね。トイラボさんのスキャニングはこれにも対応してくれるので嬉しいですねー。


 まずは過去のコラムでも書きましたが、『スプロケットロケット』です。パノラマで撮影されるトイカメラらしい雰囲気も抜群のカメラ。詳細については第11回のコラムにて。




 スプロケットロケットには曇りマークと晴れマークの切り替えがありますが、日中に撮影するなら、感度の100や200のフィルムは曇りマークで撮影。感度400のフィルムは晴れマークで撮影すると露出がほぼ安定します。ご参考までに。
パーフォレーションまで撮影出来るカメラなの中では、僕はスプロケットロケットが一番お気に入りですね。中心ピントで周辺はぼんやりと写ります。なのでなるべく中心に被写体をもってきた方がいいですね。後はぼんやり部分に脇役をつくることで写真がグンと引き立ちます。多重露光も出来るし、まさにザ・トイカメラ!!



 次にblack bird,flyです。僕が持っているカメラの中では、出番はかなり少ないですが、見た目もオシャレな二眼レフのトイカメラです。
二眼レフとは言葉そのままで、ニつの眼(レンズ)を持ったカメラです。上のレンズがファインダー用で、実際に撮影を行うのは下側のレンズです。撮影は上蓋を開けて、覗き込んで撮ります。左右が反転されて表示されるので、はじめは平行をとることさえ難しいです。でも、いつもの片目を閉じてファインダーを覗くスタイルではなく、ウエストレベルでの撮影スタイルはちょっと快感です(笑)。

 見た目が可愛くって購入しました。試し撮りでいいのが撮れて気に入ったものの、その後はなかなかいい写真が撮れずに、どんどん使わなくなっていきました。以外と難しんですよね。少し明るく撮れてしまったり、逆光に弱かったり。また、巻き送りがちゃんと行われずに画像と画像が微妙に重なってしまってフィルムがカット出来ずに長巻で帰ってくるなど。そんな欠点も多少ありますね。まさにトイカメラって感じです。でもねー、上手く撮れたら可愛いんですよ。
パーフォレーション撮影では感度100のフィルムを使うのがベストですね。





■ ゴースト写真
 逆光に弱いと書きましたが、僕の中ではこれが一番残念な部分だなって思っています。写真用語ではフレア(ゴースト)になるのですが、ひどい時は指紋がついたみたいになっちゃって。これがなけりゃいい写真だったのにーって悔やむことがあるんですよね。右端の写真みたい周辺に虹っぽく写るならいいのにな。

■ 撮影フォーマット
撮影フォーマットは三種類。専用のフレームが付属されています。パーフォレーションなしの写真も撮影可能です。むしろそれで撮る方が良かったりもしますよね。僕は貧乏性なので、フレームなしで撮って、好みのサイズでスキャンするか、後からトリミングすりゃいいかと思っちゃいますが。

ピントは割とクッキリなので好みです。周辺光量落ちもあるし(レンズの縁が写っているのかな?)、他にカメラがなかったらずっと使っていただろうなって思いますね。

以下スペックになります。
■レンズ:テイクレンズ / f7 33mm
■シャッタースピード: 1/125
■絞り:f7(曇り)、f11(晴れ)
■ピント:距離目測式(0.8 / 1.5 / 2 / 2.5 / 3 / 4 / 5 / 10 / ∞)
■重量:本体 / 210g、ケース / 130g
■使用フィルム:135(35mm)フィルム



 次は同じく二眼レフのLubitel166+ですね。このカメラについては次回にでもじっくり書こうと思ってるのでカメラの特徴などは端折りますが、ブローニだけでなく、付属のキットを使うことで35mmでの撮影も出来ます。パーフォレーション撮影の出来るカメラで、きっちりしっかりピントや露出を合わせて撮るという意味では希少ですね。
ただ、やっぱり僕はLubitelで撮るならブローニで真四角という選択をしちゃうことと、他にもパーフォレーションまで撮影出来るカメラがあるのであまり活用はしていませんね。


またホルガ120やダイアナ+でもパーフォレーション撮影は可能です(別途、35mm専用のアクセサリーが必要)。これまためったに撮らないですね。特に、ホルガ120で35mm幅で撮影するとホルガのレンズの良さが半減しちゃいます。ブローニフィルムの方が幅が広いので、35mm幅だと周辺光量落ちもなくなっちゃいます。絶対ダメだって訳ではないのですが、やっぱりこれもオーソドックスにブローニで真四角で撮りたいんですね。


■ HOLGA120で撮影


■ Diana+で撮影


 やっぱりパーフォレーションまで写っているとトイカメラっぽさは抜群ですね。遊び心もあります。他にも360度撮影出来るスピナーなどがありますが、あいにく持ち合わせてなく。いつか購入したらまた書こうと思っています。
とりあえず、どれか一台持っていて損はないなーって思いますね。ホルガ120 を持っているなら専用のアクセサリーといきたい所ですが、おすすめはやっぱりスプロケットロケットです。でもこうやって記事として書くと、black bird,flyもまた使いたくなってきますね。


さて、最後に展覧会の告知を。ちゃんとしたギャラリーでは久しぶりの個展。いよいよDMも完成して、後は展示プランや構成などを煮詰めていく感じです。展示の顔となるDMの写真は、写真家人生の総括という意味も含めて自分の中の定番写真にしました。

 『雨樹一期のトイカメラ遊園〜ひまわりファンタジーランド』
トイラボさんにて現像・スキャニング・プリントした写真での展示になります。過去に自分でスキャンした写真も、また再スキャンして頂いております。タイトル通り、遊園地みたいにワクワクするような展示にします。遊園地や観覧車、花や空、動物や家の猫などなど。
ギャラリーがとっても広いので、特大サイズの写真や、昨年のボダイジュエキスポでのフォトポエムも展示しようと思っています。とにかくもう、かなり力が入っております。
また、五感演出プロデューサーの新井敦夫氏に、演出でのプロデュースもして頂く事になったので、ただの写真展ではない色んな仕掛けを盛り込んだ個展になると思います。
開催は渋谷にある「ギャラリー・ルデコ」。日程は2013年5月21日(火)〜26日(日)の6日間です。
DMは3月上旬〜中旬には、トイラボさんからの返信用の封筒に同封されますので、まずはそこからご覧頂きたいと思っています。
「ファンタジック・レトロチック・ドリーミーな写真遊園地」にぜひ起こし下さい☆


詳細についてはオフィシャルサイトやブログにて。
■ プロ・トイカメラマン雨樹一期オフィシャルサイト
http://www.amaki15.com/

■ トイカメラ日和
http://amaki15.blog90.fc2.com/

■ 猫レシピ
http://cat.amaki15.com

■Twitter
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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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