雨樹一期のトイカメラの教科書 第49回 トイカメラの上達方法その7「逆光で撮ろう」
こんにちは雨樹一期です。このコラムはいつも月初めに書いているのですが、僕の中では毎年1月は長く感じます。でもここからはあっという間に月日が流れて、気が付けば年末に。今年こそ時間を大切に使っていきたいです。
今回のコラムはトイカメラの上達方法の続きになります。と、その前にまずは復習です。このコラムが初見の方はまずは第一回を読んで下さいね。
第一回…距離を合わせる
第二回…フィルムの保存方法と撮影前の注意点
第三回…楽しむ為の裏ワザ
第四回…露出を知る
第五回…カメラの特性を知る
第六回…フィルムの特性を知る
本当に全部大切なので何度も読んで頂きたいです。フィルムの特性は、撮りながら自分の好みを探していって下さいね。お気に入りフィルムを見つけると撮影がめっちゃ楽しくなりますよ。 そして何度も書きますが、フィルムをいれた後は、フィルムが巻き送られているかしっかりと確認して下さいね。
さて。今回は光について書きます。写真は光がないと撮れません。第四回の「露出を知る」でも書きました。
写真とは光をどう描くか、これで出来上がりが全く違うものになります。フィルムにどれだけの光を当てるかというのも大切ですが、単純に『順光』と『逆光』でもガラッと変わります。
順光と逆光の違い
カメラに詳しくない人でも、記念撮影を撮る時は逆光にならないようにしますよね。その理由は、被写体に光が当たらず暗くなってしまうからです。
・順光とは光を背にしている状態(太陽→カメラ→被写体)。
・逆光とは光に向いている状態(カメラ→被写体→太陽)。
スカッとした青空を撮りたいなら順光です。晴れた日に空を見て下さい。太陽から遠くなるほど、空の青さが濃くなっていることが分かります。
順光で撮ると、被写体にも光が当たっていて、空も青いので鮮やかな写真になります。逆光で撮ると被写体は暗く、青空も白っぽくなります。
デジタル一眼なら、簡単に光量を調整出来るので、逆光でも被写体を明るく撮ることが出来ますが、多くのトイカメラはそれが苦手。シルエットになったり、明るくなり過ぎたりと、極端にその差が出てしまいます。でも、その苦手こそトイカメラの特徴でもあります。
以下は同じ場所、同じ時間に撮影しました。
順光は鮮やかで、薔薇の花もしっかりと分かりますが、逆光はシルエットになっています。
雲が多い日でも同じですね。
「そこに花があるから撮る!」のではなくて、光(太陽)がどこにあるか、どのように被写体に当たっているかを、自分の目でしっかりと見極めることが大切です。それは被写体選びやアングルよりも大切なことです。
意図的に逆光で撮る
HOLGAやViviterなどのトイカメラで撮ると面白い効果が出ます。思いっ切り太陽に向けてシャッターを切ってみましょう。
少し大袈裟な写真をチョイスしてみました。レンズがチープだからこそ起こる現象で、「レンズフレア」「ハレーション」と呼ばれています。
カメラのレンズはこの現象を極力減らすように作られていますが、安価に作られたトイカメラにはそんな気持ちはさらさらありません(笑)。こんな欠点こそがトイカメラの醍醐味ですね。
ちなみにフィルムでもこの効果が若干変わります。僕は中国の安価なモノクロフィルム(Lucky SHD100)がお気に入りです。
光の強い部分がぼんやりしているのが分かると思います。このノスタルジー感がたまりません。LOMO LC-Aはトイカメラに比べるとレンズが高価なので、HOLGAほどの影響は出ませんが、僕的にはこれが調度いい感じです。
ちなみに、直射日光を撮る時は、ファインダーをあまり覗かないようにしましょう。目にも良くないですし、ずっと覗いていたら撮った後、目の前が真っ暗になります(笑)。
シルエットを撮ろう
シルエット写真って物語ちっくになりますよね。以下の写真はただ逆光で撮っているだけです。コントラストの強いリバーサルフィルムを使うか、クロスプロセスすることで、明暗差もハッキリします。
コツはシルエットで何か分かるように撮ることです(猫、花など)。そのために、被写体の背景が空になるようにしましょう。被写体で太陽を隠すと上手くシルエットになってくれますよ。
さて、今回は光に付いて少し書いてみました。もっと突っ込んでいくと、どこまでも書けてしまいそうだったので、まずはデジタルとの区別化ということで、逆光で撮影した時の面白さに絞りました。ぜひ試してみて下さいね。
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