雨樹一期のトイカメラの教科書 第44回 トイカメラの上達方法その3「とりあえず楽しむ」

こんにちばんは、雨樹一期です。暑過ぎる夏もようやく終わりましたね。これからは撮影の季節ですが、台風も多くなるので気を付けましょう。
さて、トイカメラの上達方法、その1は『最短撮影距離にピントを合わせる』。その2は『フィルムの注意点』とやってきました。
第3回の今回は、『楽しむ』です。やっぱり、どんなことも楽しくないと上達しませんよね。とても重要なことです。ということで、楽しむ為にはどうすればいいかを書いていこうと思います。
まず、上達方法の第1回でも書いたのですが、トイカメラは意外と難しいです。思ったような写真が撮れないということをよく聞きます。そしてそのまま撮らなくなってしまう。
これは避けたいですよね。失敗の原因としては、ピントが合っていないこともありますが、それはそれで味になることもあります。
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思っていたより普通だった
トイカメラで撮影して、はじめて現像に出した写真の仕上がりを見て、「思っていた仕上がりと違う!」ということがあります。僕もはじめてのトイカメラの感想はそれでした。「なんや、意外と普通やん」、と。
思っていた仕上がりとは何が違うか? それはおそらく色なんですね。
『トイカメラで撮影=現実的ではない鮮やかな色』と思っている方が多いです。僕もまさにそれでした。そうでなくても、デジタルとの明確な差を求めているかと思います。インパクトのある写真が撮りたい。なのに、なんか普通の色だった。

独特の発色は現像方法を変えているから
少しおさらいです。フィルムには種類があります。「モノクロ」と「ネガ」と「リバーサル」。現像方法には、「モノクロ現像」と「ネガ現像」と「リバーサル現像」、さらに「クロスプロセス現像」があります。
トイカメラの色のイメージですが、おそらく多くの方が思い描いているのが、クロスプロセス現像したものなんですね。ここではサラリと書いていくので、フィルムの種類やクロスプロセス現像については、過去のコラムにも詳しく書いているので、気になる方はそちらも参考にして下さい(フィルムの種類はコラムの第3回、クロスプロセスについては第12回)。
さて、このクロスプロセス現像とは、リバーサルフィルムをネガ現像することです。これをすることによって現実的ではない色を出すことが出来ます。トイカメラの楽しさを知る為に、まずはそれをやっちゃいましょう。楽しんだもん勝ちです。
ここで大切になってくるのがフィルム選びです。まず使用するのはリバーサルフィルムです。
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リバーサルフィルムは『スライドフィルム』や『ポジフィルム』とも言われており、いずれかの名称が箱のどこかに表記されています。確認して購入しましょう。

また、リバーサルフィルムの現像はE-6現像なので、『E-6』と書かれていたら、それはリバーサルフィルムです。『C-41』と書かれていれば、ネガフィルムになります。

 

発色はフィルムによって変化する
リバーサルフィルムはいろんなメーカーから発売されています。コダックは生産終了したのですが、他にも富士フィルムやロモグラフィー、ローライやアグファから発売されています。
たとえば富士フィルムなら、Velvia50、Velvia100、PROVIA100F、PROVIA400Xなどがあります。大切なのが、それぞれクロスプロセス現像した時の色味が違います。
フィルムの初心者で、クロスプロセスについてだけ調べてみたという方に多いのですが、『クロスプロセスはとりあえずリバーサルフィルムを買えばいいんでしょ』と思っちゃうことです。
いやいやいや、それだけじゃないんです。それぞれのフィルムで色味が変わるんです。
ビックカメラなどの大きいお店ならいろんなリバーサルフィルムを置いていますが、小さなカメラ屋さんはあまり種類を置いていません。フィルム自体の需要も減って来ているので取り扱っていないんですよね。そんなお店でもVelvia100はたいてい販売しています。そしてそれを購入してクロスプロセス現像する。その結果が以下の写真です。
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想像ではド派手な色を想像しているので、ただの真っ赤になる結果を見て、『面白くない!』と思っちゃうんですよね。まずはそこを避けましょう。他にも今は発売されていませんが、富士フィルムのセンシア・フォルティア・アスティアというフィルムも赤〜ピンク色になります。
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富士フィルムのPROVIA100Fを使う
ということで、オススメのフィルムをご紹介します。Velvia100の次くらいに売られている、PROVIA100Fです。
これも緑系に色が転んでしまいますが、Velvia100みたいに一色になることはありません。他の色もちゃんと表現されつつ、派手な発色をします。青空も基本的には緑系ですが、青味が強く出てくれる時もあります。
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まずはこのフィルムを購入してみましょう。クロスプロセスの発色は博打要素もありますが、上記のようにある程度の予測はつきます。もっとオススメしたいフィルムはあるのですが、生産終了していたり、ちょっとマニアックで手に入れることが困難なので、簡単に手に入るPROVIA100Fから試してみましょう。
いい色を出す為のコツとしては、天気のいい日に撮る。青空を含めて順光で撮る。カラフルな物を入れて撮る(赤の発色が◎)、などです。

写真としては、クロスプロセスはある意味邪道な部分でもありますが、まずは楽しいところからやってみましょう。慣れてきたらネガやモノクロフィルムを使ったりして、少しずつ幅を広げていきましょう。なんたって、楽しむことが一番の上達方法ですからね。
では、おさらいです。

1.PROVIA100Fを購入する
2,天気のいい日に撮影に行く
3.クロスプロセス現像をする

以上。長々と書きましたが今回は要約するとたったこれだけです。

トイラボでの注文では、フィルムメーカーを富士フィルム、フィルム名をPROVIA100F、現像方法をクロスプロセスと選択しましょう。
camera
注文画面です。まずはカメラのメーカーと名前を選択します。
たとえばで撮影した方なら、カメラメーカーはになります。

film
次はフィルムメーカーを「富士フィルム」、フィルム名は「PROVIA100F」と選択します。

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次が現像方法になります。STEP2で、リバーサルフィルムを選択していたら、「クロスプロセス現像」と「リバーサル現像」が選択出来るようになります。
ここで「クロスプロセス現像」をしっかりと選択しましょう。

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最後は、スキャニングデータのサイズになります。ブログやFacebookなどで使用するなら、一番下のネットサイズを。値段も安いです。展示会用などにプリントもしたいなら、そのサイズに合わせて選択しましょう。


さて、私事ですが、10/18(日)に福岡にてワークショップを開催します。内容は今回のコラムの続きでもある、『クロスプロセス現像』です。
フィルムはPROVIA100F以外にもいろいろと準備します。それぞれの発色を説明して、好みのフィルムを選んで頂き(こちらで準備いたします)、
撮影会に行きます。撮影会の場所は海の中道海浜公園。コスモスが満開です。コスモスとクロスプロセスとの相性は抜群なんです。
フィルムカメラを持っていない初心者の方も大歓迎です。レンタルカメラとしてこちらでLOMO LC-Aを複数代ご用意します。
フィルムの装填から使い方までご説明いたしますよ。
さらに、トイラボさんも熊本から来て頂けることになりました。現像に関しての専門的なことが聞けるチャンスですよ。

クロスプロセスワークショップ
■ 日程 : 10/18(日)
■ 時間 : 13時-16時
■ 料金 : 5,000円
■ 場所 :「海の中道海浜公園」 (福岡県福岡市東区大字西戸崎18-25)
【料金に含まれるもの】 フィルム1本、現像、Lサイズのプリント、16BASEデータ化(トイラボにて)。

その他の詳細、応募はブログにて。http://amaki15.com/blog/?p=2736


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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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