雨樹一期のトイカメラの教科書 第40回 「Rollei Chrome CR200 Pro 発色の特徴」

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こんにちばんは、雨樹一期です。前回のコラムで書いた「カメラの革の張り替え方法」、試された方はいますか? 革を張り替えると、カメラへの愛着がさらに沸いてきますので、ぜひお気に入りの革を見つけたら、試してみて下さいね。
最近は晴れる日が多くなりましたね。桜の時期もこれくらい晴れてくれたら良かったのに。写真撮影はどうしても天気に左右されます。それは仕方ないのですが、雨の日でも喜んで撮影にいけるくらいのテンションを保てるようになりたいです。
さて、今回はフィルムらしいコラムに致します。定番でもあります「フィルム別の発色」のご紹介。フィルムは減少しつつありますが、なんだかんだと新発売もされています。

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2014年に発売されたリバーサルフィルム、ローライのクローム200 CR Pro(以下、クローム)です。デジタル全盛期にちゃんとしたフィルムを発売、ありがたやーですよね。リバーサルフィルムなので、リバーサル現像とクロスプロセス現像が出来るので、僕にとっては嬉しさも2倍です。
結果を先に言っちゃいますが、リバーサル現像した時の発色や雰囲気が、いまの僕が撮りたい世界にドストライクでした。

ローライのリバーサルフィルムは、デジベースの200 CR Pro(以下、デジベース)があります。これはロモグラフィーのX-PRO200と中身は同じで、『AGFA RSXII 200』をベースに作られています。ですので、発色も同じです。
新たに発売されたクロームの製作過程は分かりません。ちょっとマニアックかもしれないけど、フィルムの見た目というか、触り心地や厚みがデジベースと似ています。

ということで、リバーサル現像とクロスプロセス現像と、どちらも試してみました。

■ クロームのリバーサル現像
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いやー、これはいいですねー。めっちゃ爽やかです。空の色も花の色もかなり僕好みです。リバーサルとは思えない柔らかさですね。このふんわり感や色味が好きな方は多いのでは?

デジベースやX-PRO200と発色は似ていますが、クロームの方が変な癖がないような感じで、スッキリ爽やかです。ということで、比べてみましょう。

□ デジベース & X-PRO200
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違い、分かりますかね? 「一緒やん!」って声が聞こえてきそうですが、こちらの方が少し黄色っぽくなります。これはこれで、レトロチックでお気に入りです。

ただ、安定してずっとこの色味ならいいのですが、変な癖があるというのか、思い通りの色にならないことがあります。製造ロットの違いかもしれませんが、黄色が強かったり、緑がかったり。以下の写真のように青っぽくなる時があります。フィルムにはじめから着色されているとか? んー、それはなさそうですが。
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天気や光の具合もあるのかもしれませんが、別のフィルムみたいに色味が違います。ハッキリとした原因も分かりません。癖というよりムラですかね。いまは製造していませんが、ネガのソラリスにもそういうムラがありました。それを楽しむのもありですが、僕はイメージ通りの色味に撮りたいので、ムラがあると困ります。

もしかすると保存状態が悪かったとか、原因があるのかもしれませんね。変色しやすい、デリケートなフィルムかもしれません。

続いて、クロスプロセスです。

■クロームのクロスプロセス現像
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どうでしょう?好きな人は好きかもしれませんね。少し緑っぽくなるのでポートレートには不向きですが、クロスプロセスにしては爽やか系です。青空を多めに入れて撮るといいかもしれませんね。でも、僕の中では圧倒的にリバーサル現像の方が好きですね。

ちなみに、フィルムのはじめのコマ(1〜2枚目)は光カブリをします。クロームもデジベースもX-PRO200も同様です。この共通点はなんでしょう。なにかありますね(笑)
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曇りの割にはとてもいい感じです。上はLC-Aで、下はLubitel166+で、どちらも明るめに撮影しています。

新しいフィルムってサンプル写真が見つからないので、どんな発色をするか分からない。買おうか迷ってしまいます。これからも、そんな方にフィルム別の発色の特徴を紹介していきたいと思っています。

いやいや、そもそもそんなフィルムの存在すら知らんかったよ、という方にも、お役に立てれば嬉しいです。

ローライのクロームは以下のお店で購入できます。
「みらいフィルムズ」http://miraifilms.jp/
「Silversalt」http://www.silversalt.jp/
おまけです。昨年ロモグラフィーから発売されたCINEフィルム。コラムの33回で紹介した、映画撮影用フィルムで独特の発色をするのですが、アメリカからもCINEフィルムが発売されています。こちらも試し撮りをしてみました。

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撮ってみた感想は、「普通」です(笑)。ロモグラフィーから発売されていたCINEフィルムの方が、面白味がありましたね。


最後に。私事ですが、5月25日〜6月7日まで、大阪のボダイジュカフェにて、絵描きのきよしさん、momo ironeさんとコラボ展示を致します。
(↓↓↓画像をクリックしますと拡大します。)

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「3人の絵日記」
期間:5月25〜6月7日
場所:BODAIJU CAFE  http://www.bodaiju-cafe.com/
電話:06-6361-3303
時間:11:00~18:00  ( 5月30、31日は16時からフレブルカフェになります )

【雨樹一期のフレブル撮影会】
ワンちゃんとの家族写真を撮影致します(フレブル以外でも可)。
■ 5月30日(土) デジタル一眼で撮影 1組20分…¥4,000 定員13組
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■ 5月31日(日) トイカメラで撮影 1組45分…¥10,000 定員5組
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お申し込みはこちらより http://amaki15.com/blog/?p=1362

3人個々の作品も、コラボ作品も多数展示致します。30日には僕のキャンバス写真に、お二人がライブペイントします。
今年は他に展示の予定がありませんので、これが今年ラストになる可能性も。なんだかんだどこかでやりそうですが、ぜひぜひ作品と僕に会いに来て下さいね。


■ 雨樹一期写真事務所
http://amaki15.photo/

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http://www.amaki15.com/

■ 写真と言葉のレシピ帳
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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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