雨樹一期のトイカメラの教科書 第31回「シルエットを撮ろう」

こんにちは、雨樹一期です。ほんと毎日暑いですね。エアコンがないと生きていけません。ギラギラした日差しからの突然の豪雨、今年もまた自然の被害に悩まされていますね。でっかい入道雲とか見たら僕はグッときますが、あの下ではバケツをひっくり返したような大雨が振っているのかなと考えると、申し訳ない気分にもなります。でもそんな自然を撮るのが僕の生業です。今年の夏も、入道雲を追いかけたいと思っています。
前回は「夏の写真」コラムを書きましたが、それに少し通ずるコラム。今回は「シルエットを撮ろう」です。夏の日差しはシルエットを撮るには抜群です。人のシルエットはドラマチックだし、動物や花だってステキ。写真って、なんでもしっかり見えればいいってものじゃーないんですね。隠された部分を入れるのもテクニックの1つだと思っています。
さて、とはいえ。一体何を説明すればいいのやら。シルエットは明暗差があれば撮影出来ます。ですので、簡単に言うと『逆光で撮ればいい』だけ。テクニック云々といよりも、こんなものを撮ればいいよという参考になればと思います。
基本的にはネガで撮るよりも、クロスプロセスするか、リバーサル現像がおすすめ。コントラストが強くなるので、シルエットもしっかりと出てくれます。出来れば晴れた日で雲がある方がいいですね。やっぱり夏の入道雲や秋の千切れ雲が背景としては抜群かなと。
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直接太陽を入れると色が沈みがち。雲の切れ間を狙ったり、被写体で隠したりするのがオススメ。光線もいい感じですよね。
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それでは、シーンや被写体に分けてどんどんいきます。
まずは都会の街並み。説明不要ですね。圧迫感もあってカッコいい!
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花はどこか寂し気に。
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人や動物はまさにドラマ。
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モノクロで白と黒に統一された雰囲気もいいのですが、シルエットという印象はなくなるかな。
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被写体を全部入れるのではなく、少しアップで部分的に撮っても◎。
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次に、持っている方はあまり多くはないけど、HORIZONは逆光が苦手です。レンズが130度スイングして撮影していくので、例えば左の方に太陽があると、左と右で変な明暗差が出来ちゃいます。フレームに太陽は入れないように撮影しましょう。
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夏に限らず、夕暮れ時はシルエット写真にはうってつけ。電線を入れると日常感もアップします。
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太陽が沈んだら撮影も終わりって思われがちですが、実は沈んだ後がさらにドラマチックなんです。雲1つない日はブルーモーメントという現象で青い光に照らされます。日没ではなく、夜明け前でも同様です。
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番外編としてですが、電灯の明かりやイルミネーション、水族館や展望台なんかでもシルエット写真が撮れますよ。
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さて、最近は家での作業が忙しくてあまり撮影が出来なかったけど、これからは少し時間を見つけて撮りに行こうと思っています。11月にはまた大阪で展示があるので、出来る限り新作だらけで乗り込みたい。試したい新しいフィルムもあるし、室内でたまりきったストレスを発散せねば。次はそのフィルムのコラムが書けるかなと思います。では、熱中症には気をつけて、水分補給しっかりしながら、みなさんも撮影してみて下さいね。

「ボダイジュエキスポ3」

今回のボダイジュエキスポはコラボスペシャルと題し、全ての出展アーティストが、企業・団体・アーティスト、そのいずれかとコラボしての出展となります。
僕は五感演出・ソーシャルアート団体「SORA Synesthetic Design Studio」とコラボ致します。楽しんでもらえる展示が出来ると思いますので、ご期待下さい!
http://www.facebook.com/SORA.SDS
http://expo.bodaiju-cafe.com/


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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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